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山下 裕太特定社労士・15年実務

失業給付の受給条件は、退職理由が「会社都合」か「自己都合」かで大きく変わります。本記事では、両者の違いを給付額・給付期間・開始時期・国保保険料・税金の5軸で徹底比較し、離職票の確認ポイントから「特定理由離職者」への変更交渉まで解説します。

1. 給付開始時期の違い

最も大きな差は、受給を始められるまでの期間です。

2. 所定給付日数の違い

支給される日数も大きく異なります。会社都合は年齢×勤続年数で90〜330日、自己都合は勤続年数のみで90〜150日です。

勤続年数 会社都合(45-59歳) 自己都合(全年齢)
1〜5年 180日 90日 +90日
5〜10年 240日 90日 +150日
10〜20年 270日 120日 +150日
20年以上 330日 150日 +180日

勤続20年で会社都合なら最大330日(11か月)、自己都合は最大150日(5か月)。ほぼ倍以上の差がつきます。月収30万円のケースで試算すると、給付総額の差は約100万円に及びます。

3. 国民健康保険料への影響

会社都合退職には、もう一つ大きなメリットがあります。それが「国保軽減措置」です。

具体例:年収500万円の人が退職した場合、自己都合だと国保料 年額約50万円、会社都合(軽減措置適用)だと約15万円。年35万円の差が生まれます。

4. 離職票の確認ポイント

退職時に会社が発行する離職票の「離職理由」欄に注目してください。

会社が「自己都合」と記載しても、実態が「退職勧奨」「ハラスメント」「賃金未払い」「労働条件の悪化」等であれば、ハローワークで「特定理由離職者」として再判定される可能性があります。

5. 「特定理由離職者」になり得る12のパターン

自己都合退職でも、以下の事情があれば特定理由離職者として認定され、給付制限なし+日数優遇の対象になります。

  1. 体力の不足、心身の障害等による退職
  2. 妊娠、出産、育児等を理由とする退職(受給期間延長措置を受けたものに限る)
  3. 家族の介護を理由とする退職
  4. 配偶者との別居生活継続困難による退職
  5. 結婚に伴う住所変更、配偶者の転勤等による退職
  6. 事業所の通勤困難な地への移転による退職
  7. 賃金が大幅に下げられた等による退職
  8. 長時間労働等の労働基準法違反
  9. 使用者からの直接的・間接的な退職勧奨
  10. 事業所の業務違法性
  11. 事業所の重大な労働災害
  12. 事業所の倒産・大量人員整理

6. 異議申立の進め方

離職票の理由欄に納得いかない場合の対処法です。

  1. 離職票-2の「離職理由」異議欄に「事業主の主張する離職理由に異議あり」とチェック
  2. 具体的事情をハローワーク窓口で口頭または書面で説明
  3. 証拠資料(メール・録音・賃金明細・診断書等)を持参すると判定が変わる確率が大幅UP
  4. 初回判定で覆らなくても、追加証拠で再判定請求が可能

監修者からのアドバイス

離職票の離職理由欄は、退職後の権利を大きく左右します。納得いかない記載があれば、必ずハローワーク窓口で「異議あり」を申し立ててください。証拠資料(メール・録音・賃金明細等)を持参すると判定が変わるケースが多くあります。

退職時に会社から「都合よく自己都合にしてくれ」と言われても、実態に基づいた記載を主張する権利があります。労働相談センター・労働基準監督署を介して交渉することも可能です。

あなたのケースが「会社都合」「特定理由離職者」に該当するか、無料相談で個別に確認します。