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山下 裕太特定社労士・15年実務

厚生年金には、配偶者や子を扶養している場合に支給される「加給年金」と、その後配偶者自身の年金に切り替わる「振替加算」があります。家族手当のような制度で、年間40万円前後が加算されることもあります。本記事では、加給年金・振替加算の仕組み・受給条件・繰下げとの関係・申請手続きまでを完全解説します。

加給年金とは

加給年金の受給条件

受給者本人の条件

対象家族の条件

加給年金の特別加算額(受給者の生年月日別)

受給者の生年月日 配偶者加給年金額
1934年4月2日〜1940年4月1日 33,200円増
1940年4月2日〜1943年4月1日 66,400円増
1943年4月2日〜1944年4月1日 99,600円増
1944年4月2日〜1945年4月1日 132,800円増
1945年4月2日以降 165,800円増(最大)

1945年4月2日以降生まれの方は、基本額228,700円 + 特別加算165,800円 = 合計約39万円が支給されます。

加給年金の支給期間

配偶者の場合、配偶者が65歳になるまで支給されます。

振替加算とは

配偶者が65歳になると加給年金は打ち切られますが、代わりに配偶者自身の老齢基礎年金に「振替加算」が上乗せされます。

振替加算の対象者

振替加算額(生年月日別)

配偶者の生年月日 振替加算額(年額)
1926年4月2日〜1928年4月1日 約23万円(最高額)
1944年4月2日〜1948年4月1日 約12万円
1955年4月2日〜1956年4月1日 約7万円
1960年4月2日〜1961年4月1日 約4万円
1965年4月2日〜1966年4月1日 約1.5万円

※ 若い世代ほど振替加算額は少ない

典型シミュレーション

ケース1:夫65歳・妻60歳(妻 1965年生まれ)

ケース2:夫65歳・妻55歳(妻 1970年生まれ)

ケース3:夫65歳・子15歳(中学生)

「繰下げ」との関係(重要)

本人が老齢厚生年金を繰下げ受給している間は、加給年金は支給されません

繰下げと加給年金の戦略例

パターンA:配偶者が65歳になるまで繰下げない

パターンB:65歳から繰下げ(加給年金犠牲)

請求手続き

離婚・配偶者死亡時の取扱い

監修者からのアドバイス

加給年金は「年下の配偶者がいる男性」に最も恩恵が大きい制度です。配偶者が5歳以上年下なら、200万円以上の加算になることも。一方、繰下げ受給を選ぶと加給年金を失うため、配偶者の年齢差を必ず計算に入れて判断してください。

また、再婚で配偶者が変わった場合、新しい配偶者の年齢で加給年金が再計算されます。離婚・再婚があった方は、年金事務所で確認しておきましょう。事実婚の配偶者も対象になりますが、住民票上の同一世帯であることが要件です。

振替加算は若い世代ほど金額が少なくなりますが、それでも終身受給なので生涯で30〜100万円の加算になります。請求漏れを防ぐため、配偶者が65歳になる際には必ず日本年金機構から書類が届くか確認してください。

共働きで両者とも厚生年金20年以上加入の場合、加給年金は支給されません。「妻も自分の老齢厚生年金を受給するから、加給年金は不要」というロジックです。共働き夫婦は加給年金を当てにせず、別の老後資金戦略を考えましょう。

加給年金・振替加算の対象になるか、シミュレーションは無料相談で。