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佐藤 あき税理士・CFP

退職後に配偶者や親の健康保険・厚生年金の扶養に入れば、保険料の自己負担はゼロになります。「年収130万円の壁」「106万円の壁」といった条件があり、正しく理解しないと扶養に入れないケースが少なくありません。本記事では、各「壁」の意味・扶養手続きの流れ・失業給付期間中の判定・タイミング戦略・退職金の扱いまでを完全解説します。

「壁」の整理

103万円の壁(税法上の扶養)

106万円の壁(社会保険の被保険者拡大)

130万円の壁(被扶養者の収入要件)

150万円の壁(配偶者特別控除)

退職後の扶養手続きの流れ

STEP1:被扶養者要件を満たすかチェック

STEP2:扶養者(配偶者等)の勤務先に申請

STEP3:健康保険証の交付

承認されれば、扶養者の健康保険組合から被扶養者用の保険証が交付されます。

STEP4:国民年金の手続き

失業給付受給中の扶養判定

失業給付は「収入」とみなされます。日額3,612円が境目です。

「タイミング戦略」で保険料を最小化

退職→失業給付→再就職の流れで、保険を切り替える戦略:

期間 状態 保険 備考
退職直後(給付制限中) 収入なし 家族の扶養 2か月分0円
失業給付受給中 日額5,000円 任意継続 or 国保 給付期間中は外れる
給付終了後・求職中 収入なし 家族の扶養に再加入 すぐ再加入可能
再就職 給与収入 新会社の健康保険

このように切り替えると、給付制限期間と給付終了後の合計約4〜6か月は保険料0円で過ごせます。

退職金は扶養判定に含む?

原則、退職金は「一時的な収入」として扶養判定の年収には含めません。

健康保険組合別の判定ルール

協会けんぽは「向こう1年間の見込み収入」で判定しますが、健保組合によっては独自ルールがあります。

同居・別居の要件

扶養に入るには、扶養される人が同居している必要がある場合があります。

扶養加入で得られる年間メリット

世帯年収によりますが、扶養加入による年間メリット:

扶養から外れるタイミング

監修者からのアドバイス

扶養判定で最も多いトラブルは「失業給付の日額」を見落とすケースです。退職時点で給付見込みを試算し、3,612円を超えるかどうかを確認してください。超える場合、給付期間中は扶養に入れません。

また、健康保険組合によっては「直近3か月の収入実績」で判定する組合もあります(協会けんぽは見込み判定)。配偶者の勤務先がどの組合か、扶養申請前に必ず確認してください。組合によっては配偶者の年収条件もあるため、独自ルールの確認が必須です。

失業給付終了後の扶養再加入は、給付期間最終日の翌日から可能です。終了日が決まったら、すぐに配偶者の勤務先に再申請手続きを依頼しましょう。再申請を忘れると国保加入のままで保険料負担が続きます。

扶養判定の所得には退職金は含まれませんが、「向こう1年の収入見込み」は誠実に申告する必要があります。虚偽申告は遡及取消の対象になり、保険料の遡及徴収+医療費の返還を求められることがあります。

扶養加入のタイミング戦略は、無料相談で個別シミュレーションします。